主催者としての責任

2/26、21:00まで稽古をした後、スタッフ、主要キャストで集まり、コロナの事で3/7の公演をどうするか、という相談が始まりました。
私自身も、もう、延期かなあ・・・という思いで皆さんのご意見をうかがいました。
誰からも、何としてもやろう、やってしまおう、といった声はありませんでした。
逆に、ここで強行してすると、苦情や嫌がらせがくる可能性があるといった声や、万が一、何か起こった場合、どんなにいい内容の公演をしたとしても、そのことに一切触れられることはないまま、やったことを責められ続けることになる。
また、オペラのお客様はご高齢の方が多いです。もし、どなたかが亡くなったりしたら、取り返しがつかない事態になる、後悔しきれないことになるといった声も上がり、3/7は中止という決定に至りました。
同時に、このままやめてしまおうという声はなく、ここまで出来上がっているんだから、ぜひやろうという皆の気持ちも一緒で、延期することに決定しました。本番間近にして、皆の気持ちも一つにまとまり、私自身もこの日の稽古で、皆がより一段と前進した状態を実感していました。
あっという間に時間が過ぎ、話し合いの後、関係者への連絡に追われました。
「また明日!」と別れた出演者全員に、公演の中止、延期のお知らせ、また明日以降の稽古はありませんと一斉メールで連絡を入れたのは夜中でした。
皆に直接、報告、お礼、挨拶も出来なかったことが心残りではありましたが、感傷に浸る間もなく、対応に追われました。
翌日、私自身も個人でチケットを買って頂いていたお客様に連絡を入れました。皆さん、少し前からどうなるのかと気にして下さっていた方も多く、中止と聞いて残念に思いながらも、延期で公演をするという事に喜んで下さいました。
直接お客様と連絡をとっていると、やはり公演はお客様、そして演者、パフォーマンスする人、主催者も、全員が心も身体も健康な状態で開催されなければいけないなあという思いが、より一層強まりました。
何のために歌うのか、誰のために歌うのか、何を目的とした公演なのか、常々考える事はあるのですが、ここまで切実に、真剣に考えさせられたことはなかったように思います。
また、主催者という立場、責任ということを実感しました。

自分が「中止します」と決定したら、それまで当たり前のように行っていた稽古が無くなり、当然のように迎えていた本番も、本当にあっけなく無くなってしまうのです。私が「続行します」といえば、開催することになるのです。

何か起これば、出演者、関係者だけでなく、1000人のお客様、そしてそれぞれのご家族にも影響を及ぼします。そして、出演者、スタッフの築き上げてきた歴史にも傷をつけてしまいます。
主催者というのは、その責任を負う覚悟を持って、色々を判断し、進めていかなければならないということを改めて強く実感しました

アゼリアホールの写真です。どのお席からも舞台がよく見えます!

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