ロッシーニの巨匠、アルベルト・ゼッダ先生が亡くなられて、もう一週間以上経ちました。
2年前、私が藤原歌劇団に入団して、初めての出演がロッシーニの「ランスの旅」でした。この公演の指揮をされたのがゼッダ先生でした。
「ランスの旅」の出演のお話しを頂いた際に、ゼッダ先生が指揮される舞台に立てることは、とても良い経験、勉強になりますよ、と藤原歌劇団さんから言われました。
ロッシーニの世界的権威のゼッダ先生の指揮で歌わせて頂けるのは大変光栄なことでしたが、私はそれまでロッシーニのオペラに出た事は無く… 大変不安な思いもありました。
実際にゼッダ先生が来日されてからのお稽古は、大変厳しいものでしたが、同時にとても優しい笑顔で見守って下さるといったご指導でした。最終的に、舞台に立たせて頂いた時には、先生の指揮についていくことで、自分でも安心してロッシーニを歌わせて頂く事が出来ました。
今でも、オケピットで指揮を振って下さっていたゼッダ先生のお顔はハッキリ覚えています。オケピットから、にこやかなお顔で、舞台にいる歌手の皆を見上げ、指揮下さってました。
心よりご冥福申し上げます。
「ランスの旅」の終演後、舞台の上でゼッダ先生を囲んで撮った写真です。本当にお元気だったのに。。。